私にとってネパールは3年ぶりでした。前回は団体としてのネパール旅行であり、今回は一人旅です。また、以前のゴスペル・ホーム(児童養護施設)は借家でしたが、現在はコロナ禍でのファンドレイズによって建てられたものであり、皆さまからの尊い捧げものによるゴスペルホームです。とても楽しみでした。
3年前のネパール旅行から帰国して間もなく、現ゴスペルエイド代表の佐藤美香から、連絡がありました。私は当時ゴスペルエイドの理事でした。ゴスペルエイドを「直接支援部門」と「ビジネス部門」に分けたいという相談でした。私にそのビジネス部門(バディカフェ)の代表になってほしいと話があり、引き受けることにしました。
それからすぐに世界はパンデミックとなりました。NPO経営に対しては初心者であり、何よりネパールという国の知識が不足している私。ロックダウンされたネパールとのビジネスを一体どうしていくのか、わからないことだらけ。そんなスタートでした。とりあえずこの働きのために自分ができることを必死に探りました。 そしてバディカフェとしては大きな舵きりである焼き菓子工房を2年前に設立し、チームと共にコロナ禍の世界を進んで行きました。勉強すればするほど、すぐにでもネパールへ行き、現地に入り、もっと彼らの生活を知りたいと思うようになりました。ようやくその悲願が叶い、今回のタイミングで行くことができました。そこで味わって来たものを少しお伝えしたいと思います。
1. ネパールの社会ルールを体感
久しぶりのネパールの首都カトマンズは、前回と変わらず砂埃と排気ガスに覆われ、道路は行き交う車と人々がごちゃ混ぜで、クラクションが会話のように鳴り響いていました。
街にある電線も鳥の巣のような大きな塊になっていて、頻繁に停電が起こる中、インターネット回線も誰か人のものを勝手に繋げて(盗んで?)生活していました。
一見無秩序に見える彼らの世界にも、良く目を凝らし耳を澄ませて行けば、一つのシステムがあることがわかります。とにかく身分の低い人、知識の無い人、力のない人は損をするというシステムです。日本から来た私は「(ネパールのルールに対し)知識の無い人」に
値するのでとても注意が必要でした。前もって話は聞いているのですが、今回の旅でまた自分の(日本人としての)常識を覆される体験をしたことは、この国をより理解するという点で良いことでした。これからもたくさん学んで行きたいと思います。
2. ゴスペルホーム(児童養護施設)の子どもたちの生活を体感
新しく建設されたゴスペルホーム(児童養護施設)に寝泊まりした経験は、感慨深いものでした。
施設に着いた時に子どもたちは大きな笑顔で「Hello, sister!」と迎えてくれました。小さな学年ほど人なつっこくて、挨拶をしながら私に飛び付いて来ました。そして高学年の子たちは少し間を置いてからの挨拶でした。なんとも思慮深い接し方で、私はその態度に感銘を受けました。子どもたちが共同で生活しているので、まるで大家族のようです。年上の子が自然に年下の子の面倒を見ています。子どもたちは年齢を問わずサッカーが大好きです。放課後スタッフを交えた全員で2チームに分かれ、サッカーを楽しんでいました。
また、水のシステムが頻繁に故障していて現地スタッフが毎日直していました。施設ではお湯が出ないので、みんな水シャワーです。施設の隣に住む小さなこども(推定2〜3歳)が隙あらばみんなと一緒に遊びたくて、施設にやって来ます。その子を順番に施設の子どもたちが面倒を見てあげているのも印象的でした。子どもたちは朝起きてから登校までの時間に、各自割り当てられた施設の掃除や鶏のお世話、畑の水やり等をしていました。
特に私の滞在中は学校のテスト期間だったため、自分の役割を終えた後に勉強する子たちもいました。
滞在最後の日。私は自分が使わせてもらっていた部屋から子どもたちが元気にサッカーをしている姿を眺めながら、子どもたちの将来のために、そしてバディカフェの今後のアクションのために祈っていました。そうすると、どうしようもなく涙が出て来て、止まらなくなってしまいました。
かわいそうだから泣いているのではなく、自分が悲しいから泣いていたのでありません。
私は神様に聞いてみました。「どうして私はこの子たちを見て、泣いてるんでしょう。」
神様から 「子どもたちの命があまりにも美しく尊いから泣いているんだよ」と、語られた気がして日本に戻りました。
3. 学びつつチャレンジし続ける
日本に戻った私は、バディ族と日本のスタッフたちと「共に働く」の意味を改めて考えています。「共に」を成立するために、互いに「知る」チャレンジを繰り返す必要があります。そのチャレンジの積み重ねが、私たちを突き動かすミッション(使命)に立って行く強さを私たちに与えてくれるのだと思います。
失敗しても決して使命を手離さない強さに憧れます。今後もバディカフェは学びつつチャレンジし続けていきたいと思います。皆様、どうぞ引き続きご支援をよろしくお願い致します。
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